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アクション映画回顧録「ゲッタウェイ」

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今回ご紹介するのは、1972年に制作されたスティーブ・マックイーン主演、サム・ペキンパー監督の「ゲッタウェイ」。脚本は、「48時間」や「レッドブル」、「ラストマンスタンディング」等で監督、脚本を務めたウォルター・ヒルである。
この黄金トリオで制作された映画、面白くないわけがない。実際、この映画はそれまでのサム・ペキンパー監督作品の中で、最大のヒット作となった。

映画のあらすじは、刑務所に服役していたドク(マックイーン)が、地元政界の大物と取引し、刑務所から釈放してもらうかわりに、銀行強盗をさせられるのだが、その奪った金を巡り、警察、組織、殺し屋から追われる身となり、妻とともに逃避行を繰り広げる話である。

スティーブ・マックイーンという大スターの主演で撮った娯楽作品ということで、ペキンパー映画の中では、かなり異色の作品といえる。そもそも、この映画を制作したのは、マックイーンがポール・ニューマンなどのスター達と設立した「ファースト・アーティスツ」という映画制作プロダクションで、当時ペキンパー作品を敬愛していたマックイーンが、サム・ペキンパー監督を自分のプロダクション映画に迎え入れた形である。

つまり、この映画の最終編集権は、監督ではなく、プロダクション経営メンバーであるマックイーンが握っており、実際、マックイーンの意向により、音楽が差し替えられた最終編集版を試写室で見たペキンパーが、「これは俺の映画じゃない!」と怒ったという話がある。

そんな裏話があるが、やはりペキンパー映画お得意のスローモーションやカット割りを駆使した映像演出は健在で、特にクライマックスのホテルでの銃撃戦の描写は秀逸で、美しい。もちろんペキンパーの演出も見事だが、マックイーンの銃捌きが、これまた美しい。

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マックイーンが「ゲッタウェイ」で使用するコルトM1911は、かつての米軍制式採用拳銃であり、軍隊経験のあるマックイーンにとって、最も愛着があり、使い慣れた拳銃であったはずだ。
「ゲッタウェイ」における、マックイーンの流麗なガバメント捌きの仕草は、以降のガバメントが登場する映画に多大な影響を与えたのは間違いない。
ほかに、ガバメントが印象的に使用されている映画で個人的に好きなのは、ベニチオ・デル・トロの「誘拐犯」や、S.セガールの「ハード・トゥ・キル」などがある。

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映画界に金字塔を打ち立てたマックイーン、ペキンパーともに50代という若さでこの世を去った。彼らの遺した偉大なる業績に敬意を表しつつ、時代を牽引する新たなアクションスターや監督の登場に期待したい。

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 税込標準価格 36,750円/税込販売価格 31,237円

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